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アフリカの少年が起こした奇跡の実話──同名自伝の原作者ウィリアム・カムクワンバが感じた“映画のリアル”

#REVIEW
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自らの体験が映画として再現される不思議と感動

この作品で描かれている出来事は、私が少年の頃に実際に体験したことなんだ。映画は限られた時間の中で物語を語らなくてはいけないから、本を映画化することは決して簡単ではないのに、素晴らしい映画を作ってくれてすごく嬉しいね。舞台となる2001年頃のマラウイも忠実に再現されていて、本当に満足しているよ。

私がこの映画を見た時、2つの感情が交錯したんだ。まず、とても辛い過去の記憶と向き合わなければならなかった。家族と経験した辛い出来事を思い出すことは簡単ではない…でもその一方でワクワクした気持ちも思い出せた。そんな相反する感情を抱きながら映画を楽しんだよ。

監督であり主人公の父親、つまり私の父親を演じたキウェテル・イジョフォーは、俳優としても監督しても優れている。物語を忠実に描くために試行錯誤し、気になることがあれば連絡してくれた。しかもチェワ語も学ばなくてはいけなかった。努力を惜しまない人で、見事な仕事ぶりだったよ。

少年時代の私に扮したマクスウェル・シンバの演技を見て、ワクワクしたし感心させられたよ。才能があって、いろいろな可能性を感じさせてくれる若者だね。実は彼にはこれまで演技をした経験がなかったんだ。それなのにこれほど説得力があるなんて、誰にでもできることじゃない。彼のような素晴らしい人が私の役を演じてくれて嬉しいね。

原作者の“その後”の人生。そして伝えたいメッセージ

私は独学で自家発電用の風車を作り上げ、それをきっかけに人生が大きく変わり、いろいろなプロジェクトを立ち上げることができたよ。風車を使って汲み上げた水を地域の人に無料で提供したり、通っていた小学校を再建しソーラーパネルを設置することで暗くなっても勉強できるようにしたり、また小学校は地域のコミュニティセンターとしても使えるようになった。同じように高校にもソーラーパネルを設置し、コンピューターも使えるようにした。そして自分自身も学校に戻って勉強することができ、おかげで前に進むことができたんだ。私が得た知識で、今後もマラウイの人たちが抱える問題を解決していこうと考えているよ。

この作品を通じて日本の皆さんに伝えたいことは、努力し続けることの大切さなんだ。私が直面した問題は皆さんが抱えるものとは違うだろうけど、どんな挑戦だとしてもやり抜けば得られるものがある。

努力し続ければ、きっと解決策が見つかると思うんだ。実際に成功している人たちは、どんなこともチャンスだと考え乗り越えてきたんだから。そのことをぜひ皆さんにも感じ取ってほしい。

(原作者 ウィリアム・カムクワンバ)

movie info

作品名
『風をつかまえた少年』(2019年)
監督
キウェテル・イジョフォー
出演
マクスウェル・シンバ/キウェテル・イジョフォー
公式サイト
https://longride.jp/kaze/
2019年8月2日(金)ロードショー

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