film talkfilm
talk

薬物依存に苦しむ青年を支えたのは父の愛──旬の若手俳優ティモシー・シャラメ主演で描く再生の物語

#REVIEW
  1. TOP
  2. FILM TALK

堕ちていく息子を信じ続けた8年間の軌跡

この作品の主人公ニックは、あることからドラッグ依存証になってしまいます。本人はドラッグから抜け出したいと思っているものの、つい悪の手に染まってしまう。そんな彼を家族がどうにかして更生させようと奮闘する様が描かれています。

父親デヴィッドを演じるのは、私の大好きな俳優スティーヴ・カレル。息子を溺愛するデヴィッドは、更生施設に入れたりお金を費やしたり何度も立ち直らせようと努力するのですが、そのうち「自分の行為は息子のためになってないんじゃないか?」「もしかしたら俺が悪いんじゃないのか?」と自問自答するようになります。

そんな中、更生施設を抜け出したニックが父親に「今度こそドラッグをやめる。あの施設には戻りたくない。家に帰らせてくれ」と電話で訴えたところ、デヴィッドは「家に帰ったところでドラッグをやめられない」と強い口調で断るのです。“息子のことが好きだけど、いつかは突き放さなければいけない”という覚悟が伝わるこのシーンに、胸が熱くなりました。

また、この作品を製作しているのは「プランB」。映画通の方ならご存じでしょうがブラッド・ピットが共同で立ち上げた製作会社で、近年だと『ムーンライト』『それでも夜は明ける』などアカデミー賞に絡む作品を多く輩出しています。

ブラッドはインタビューで「ビッグ・バジェットの大作も魅力的だけど、僕たちが伝えなければいけない映画もあるんだ」と語っていて、そのプランBによる製作と知って期待値が一気に上がりました。そして期待通り、心に訴えるものがある作品でしたね。
(映画パーソナリティー コトブキツカサ)

邦題を原題と同じにした理由

この作品の原作は、父親デヴィッド・シェフと息子ニック・シェフの伝記。つまり2人の視点を合わせた物語となっていて、劇中でも一方の視点に偏ることなく極めてフラットに描かれています。

息子のニックは人気ドラマ『13の理由』などの脚本家として、父親デヴィッドは音楽ライターとして活動しています。この作品はジョン・レノンが息子に捧げた名曲「ビューティフル・ボーイ」と同じタイトルになっていますが、デヴィッドは生前のジョンに最後のインタビューを行った有名なライターで、試写会でも音楽業界の方たちはデヴィッドのことをよくご存じでしたね。

この“ジョンが息子のために捧げた曲と同じタイトル”ということは、宣伝を通じて音楽ファンなどに強く伝えたいポイントの1つなのですが、ニック役のティモシー・シャラメもまさしく『ビューティフル・ボーイ』! 邦題を決める会議でも「これしかない」と満場一致で決定しました。

堕ちていく姿さえも美しい俳優なんて、久しぶりではないでしょうか。今、新世代で最も注目すべき俳優の演技をぜひご覧になってください。

(配給会社ファントム・フィルム宣伝部 岡部拓史)

movie info

作品名
『『ビューティフル・ボーイ』(2018年)
監督
フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
出演
スティーヴ・カレル/ティモシー・シャラメ
公式サイト
http://beautifulboy-movie.jp/
2019年4月12日(金)ロードショー

NEW ARRIVAL