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『続・夕陽のガンマン』の伝説のロケ地を復元したい!有志たちの熱い姿を追うドキュメンタリー

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映画ファンの熱量に圧倒

この作品は、1966年に撮影されたマカロニ・ウエスタン『続・夕陽のガンマン』に惚れ込んだ熱烈なファンが、クライマックスが撮影されたロケ地“サッドヒル”を再現しようとする姿を追ったドキュメンタリー。その本編の合間に、『続・夕陽のガンマン』がどのように作られていったかというメイキング情報が挟まれていきます。

1本の映画に惚れ込んだ映画好きたちが、これほどのことを起こせるのか!という熱意にまず驚かされます。最初は3〜4人の有志が土に埋もれた石畳を掘り起こすところから始めるのですが、さすがにその人数では無理。そこでネットからファンにボランティア募集を呼びかけ、1年以上かけてロケ地を再現していくのです。

映画ファンなら誰もが理解できるでしょうが、自分が好きな映画に近づきたい!という思いがあるもの。ロケ地に立っただけで「あのスターもここに立ったんだな」と震えが来る気持ちはよく分かりますね。

1銭にもならないことも何ヵ月もかけて行った結果、彼らに与えられる“ご褒美”もまた感動的。すべての映画好きな人たちに見てほしいドキュメンタリーですね。

(映画ライター相馬学)

人生を変えてしまうほどの映画の力

熱烈な映画ファンたちの姿を追ったこのドキュメンタリーで印象に残るのは、映画ならびにフィクション作品が私たちに与える影響の深さです。

映画およびフィクションというのは、人間の想像力が思いきり投入されたもので、ある意味、現実を拡張したもの。優れた作品は人生を変える力があるということがもろに映し出されています。つまり、映画が現実や人生を変えてしまうということが、このドキュメンタリーの核心と言えるかもしれません。

またこのドキュメンタリーは、メタリカのライブシーンから幕を開けます。なぜかというと、メタリカは『続・夕陽のガンマン』で使われていた「黄金のエクスタシー」という曲を30年以上もライブのオープングに使い続けているから。バンドのフロントマンであるジェームズ・ヘットフィールドはコメンテーターとしてドキュメンタリーに出演し、「芸術家だけでなくファンもまた、芸術作品によって生きる意味を探し求めているんだ」とか、いいことを言うんですよ。まさにその通りのことが群像劇として映し出されたドキュメンタリーになっています。

また、ドキュメンタリーに登場するコメンテーターが豪華!『グレムリン』のジョー・ダンテ監督をはじめ、『続・夕陽のガンマン』に人生を変えられて今ここにいる──という人たちばかり。そうした映画と人生の関係だったり、フィクションが持つ偉大な力というのは、映画ファンなら多かれ少なかれ感じているでしょうが、そのことを改めて感動的に知らしめてくれる珠玉のドキュメンタリーですね。

(映画ライター森直人)

movie info

作品名
『サッドヒルを掘り返せ』(2017年)
監督
ギレルモ・デ・オリベイラ
出演
エンニオ・モリコーネ/クリント・イーストウッド
公式サイト
http://hark3.com/sadhill/
2019年3月8日(金)ロードショー

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