film talkfilm
talk

1960年代イギリスに訪れた新時代が世界のカルチャー・シーンを塗り替えた!秘蔵映像満載ドキュメンタリー

#REVIEW
  1. TOP
  2. FILM TALK

1960年代のカルチャー“スウィンギング・ロンドン”

この作品は、『キングスマン』などで知られるイギリスの名優マイケル・ケインが製作総指揮とナビゲーターを務めた、1960年代ロンドンのポップカルチャーにまつわるドキュメンタリーです。監督は過去にエミー賞候補にもなったデヴィッド・バッティ。1960年代ロンドンのポップカルチャー、いわゆる“スウィンギング・ロンドン”を、1600時間もの映像素材と50人以上のインタビューを交え、表も裏も濃密に描き出しています。

スウィンギング・ロンドンは、ビートルズやローリング・ストーンズなど綺羅星のようなバンドがひしめく音楽カルチャー、当時初めて発明されたミニスカートなどのファッションカルチャー、さらに映画やアートなどを一括りにしたものです。このカルチャーを分かりやすいイメージで言うと『オースティン・パワーズ』で、実はマイケル・ケインも主人公の父親役で出演しています。

ドキュメンタリーの中で特に強調されているのが、スウィンギング・ロンドンは世界で初めて若者たちが作り上げたカルチャーだということ。労働者階級の貧しい若者たちが、ギターを抱えたり何もないところに絵を描いたり…当時のロンドンは30歳以上の人がいないのでは?と言われるほど、頭の固い大人たちが顔をしかめる一方で若者たちは盛り上がっていたのです。

こうしたカルチャーが世界中に波及し、日本やアメリカにも影響を与えました。また、スウィンギング・ロンドンにはドラッグカルチャーという負の一面もあったのですが、この作品ではそうした表と裏の両方を余すところなく描いています。

ちなみにタイトルの『マイ・ジェネレーション』は、“俺たちの時代だ!年老いる前に死んでやるぜ!”なんて内容を叫んでいるザ・フーの楽曲名と同じ。この曲は、モッズカルチャーを描いた『さらば青春の光』や、日本でも1990年代に渋谷で何度もリバイバル上映された『ナック』などに使われていて、日本の音楽文化や映画文化にもつながっています。それらの源流が何だったのかが分かるドキュメンタリーに仕上がっていますよ。

(映画ライター 大山くまお)

今も影響を与え続ける“世界を変えたジェネレーション”

このドキュメンタリーでマイケル・ケインが伝えていることの1つ。それは、当時の若者たちが周りの目を気にせず自由にファッションを楽しんだり、自由な発想で音楽を紡ぎ上げてムーブメントを作り出したということ。つまり、当時の若者たちが激しく生きたパッションを伝えることで、今の若者たちに「もっと自由な発想で、周りの目を気にせずいろんなものを生み出したらどうだ?」と伝えているのです。そこが面白い!

今年の秋は『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしましたが、その流れで『マイ・ジェネレーション』を見るとまた面白く感じられます。『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリーの恋人が当時のファッションの最先端ブランドだった「BIBA」で働いていて、『マイ・ジェネレーション』にも「BIBA」の昔の映像が出ているのです。他にも、日本でもブランド名として知られるマリー・クワントがマイクロミニを発明したエピソードとか、イギリスのオシャレや音楽について楽しく勉強できる作品でもあります。

(映画パーソナリティー 伊藤さとり)

movie info

作品名
『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』(2017年)
監督
デヴィッド・バッティ
出演
マイケル・ケイン/デヴィッド・ベイリー
公式サイト
https://mygeneration-movie.jp/
2019年1月4日(金)ロードショー

NEW ARRIVAL