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映画を創る映画祭!『函館港イルミナシオン映画祭』。実行委員長の米田さんに聞いてみた!

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12月7日(金)~12月9日(日)に函館山ロープウェイ展望台クレモナホール他にて開催される『第24回 函館港イルミナシオン映画祭』。同時に開催されている「シナリオ大賞」からはすでに14本が映像化しているまさに映画を創る映画祭、『函館港イルミナシオン映画祭』について実行委員長の米田さんにお聞きしました。

映画祭のコンセプトや今年のテーマを教えてください。

キャッチフレーズは「若き才能たちとの出会い」「映画を創る映画祭」です。

第1回目から日本映画を応援するというコンセプトは変わっておりません。また、「シナリオ大賞」が今年22回目になります。通算3500本以上の作品が応募されていて、これまでに長編で6本、短編で7本が映画化、タモリさんがストーリーテラーのテレビ「世にも奇妙な物語」15周年記念作品として1本が映像化されています。現在2本の作品が待機中です。

今年もグランプリ作品、準グランプリ作品、審査員奨励賞が生まれます。ちなみに、最終審査員の方々は、作家の荒俣宏さん、映画監督の大森一樹さん、プロデューサーの河井信哉さんの3名です。

過去には、女優の桃井かおりさん、映画評論家の川本三郎氏、脚本家の加藤正人氏、じんのひろあき氏、映画監督の故森田芳光氏、崔洋一氏、林海象氏、三池崇史氏、飯田譲治氏、森達也氏、プロデューサー林加奈子さんにも審査していただきました。

今年からは「ショートムービーコンペティション」を始めています。日本はもとより台湾、韓国からも応募があり126本の短編作品が集まりました。これらの中から実行委員が選んだ12本を上映し、お客様の投票でグランプリに輝いた作品は、最終日クロージング作品上映の前に表彰し上映します。

今年24回目となりますが、映画祭の成り立ちは?

きっかけは、1993年に当映画祭のディレクターでもありますあがた森魚監督の『オートバイ少女』の映画作りからです。漫画雑誌「ガロ」に掲載されていた鈴木翁二氏原作の短編をあがた森魚監督が脚色し、東京スタッフと函館スタッフが合体して約1ヶ月間函館オールロケで完成し、1995年この作品を上映するところから始まったんです。

同時に上映したのが、これからの日本映画界(当時)を背負っていくであろう監督、篠原哲雄監督の『草の上の仕事』、矢口史靖監督の『裸足のピクニック』の3本の上映とシンポジウムからささやかにスタートしました。したがって、この映画祭は、「映画を創る映画祭」なんです。

当時、日本映画は低迷しており、大手の映画会社の作品はそれなりの成果を上げていたと思いますが、独立プロ系及び制作実行委員会形式の作品は地方ではなかなか目にする機会がなかったため、それでは我々が上映の機会を作ればという思いでした。

実際にシナリオから映画を完成させるまでの流れを教えてください。

色々なやり方がありますので一口でこういう流れでは言えませんが、例えば函館市のフィルムコミッションと日活の社長に直々ロケ誘致に行ったりと、思いつく事はやってきました。

一番新しいところでは、3年前に函館オールロケで制作した『函館珈琲』があります。この場合は、グランプリが決まった時点で受賞者とゲストで来ていた監督が意気投合して映画化が決定。当映画祭の東京事務局のチーフがプロデューサーとなり、函館事務局とクラウドファンドを立ち上げ、まず資金集めから始まりました。

ロケハンは幾度となく行い、物件の交渉に時間を費やしました。良く知った自分たちの街ですが、映画人が閃くロケ場所は意外なところにあり、街づくりにおいてもとても勉強になりました。同時に出演者交渉にかなりの時間がかかったと記憶しています。

受賞からクランク・インまで約10ヶ月、撮影期間は2週間。エキストラから炊き出しまで毎日のように実行委員会のメンバーと市民の協力の下、クランク・アップし、それだけで感動的でした。

映画祭を開催することの「魅力」「おもしろさ」「大変さ」といった点は?

「魅力」と「おもしろさ」は、上映作品を編成することでしょうか。我々は通年で活動しています。始めた頃と違って、現在では短編から長編、ドキュメント、アジア映画等たくさんの作品が毎年作られています。それらの情報を集めて3日間の上映作品を決めていくことは何よりも楽しい作業になります。しかし、限られた日数・時間と予算の都合で断念せざるを得ない作品も多々あり悔しい思いもあります。

「大変さ」は、何と言っても資金面です。どこの映画祭も悩みは同じだと思います。毎年赤字になります。我々の場合、会場が全て多目的会場なので、3会場全てに上映できる環境を整えなくてはなりません。函館には映写会社がありませんので、全て札幌の会社に頼むしかありません。また、上映料やゲストにかかる経費等細部にまでお金がかかります。これが一番の大変なことです。あげればキリがありません。

しかし、活動していく中で函館市内外の企業や個人の方が応援してくれています。我々の活動に理解を示していただけていることは涙が出るほど嬉しいことです。映画を通してみんなと繋がっていることを実感できます。また、新しい出会いがありそのことが何よりも宝物となっていきます。たぶんこれらのことが色々な困難を乗り越えていく力になっているように思います。

上映作品や特別企画で特にオススメするものはありますか?

1本上げろと言われたら断然、『止められるか、俺たちを』です。

1969年の激動の時代の青春映画です。7年前(もう7年になるんだ…)に交通事故で亡くなった若松孝二監督とその仲間たちの青春を描いた映画です。

主人公・吉積めぐみ役の門脇麦さん、井浦新さん演じる若松孝二監督、足立正生さん、荒井晴彦さん、その他若松プロダクションの猛者たち、そして赤塚不二夫氏たちがスクリーンの中で暴れまくります。全て実名なのですが、容姿は全然似てなくてそれがだんだんと本物に見えてくるから不思議な感動があります。

若松監督は、当映画祭にゲストとして幾度となく来ていただき、函館市民の方々や当映画祭のメンバーとも親交を深めていただきました。

映画祭でのおすすめの楽しみ方はありますか?

3日間の中でパーティーが2回あります。初日のオープニングパーティー、2日目の公式パーティー。両日ともに会場は別です。映画鑑賞とは別に映画人や初めて会う映画ファンともコミュニケーションが取れ、監督やプロデューサーと親しくなり、それが映画制作に繋がった例もあります。また映画ファン同士、後日連絡を取り合って翌年の映画祭に来られる方もたくさんいらっしゃいます。映画祭のもう一つの楽しみです。

最近気になった映画や好きな映画を教えてください。

今は『止められるか、俺たちを』が頭から離れません。今年の私のベスト・ワンでしょう。2012年10月14日に当映画祭のプレ上映として若松監督新作上映会「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」を開催し、若松孝二監督と井浦新さんをゲストにお呼びしましたが、若松監督は急遽キャンセルとなり、新さん一人のトークショーとなりました。実はその2日前新宿で交通事故に遭い5日後に亡くなりました。今年7回忌になります。函館を愛してくれた若松監督に縁を感じます。

この作品は、1969年に助監督になった吉積めぐみさんを主人公に若松組の猛者たちがすべて実名で登場します。「3年頑張ったら監督もさせてやるよ」と言われためぐみさんは2年後に亡くなります。めぐみさん役の門脇麦さん、監督役の井浦新さん他の方々皆さんが当時の若松組の青春を爆発させています。今年度一押しの感動作です。

映画『止められるか、俺たちを』公式サイト
http://www.tomeore.com/

最後に、お伝えしたいことがあればお願いします。

ぜひ、まだ見ぬ映画が大好きな皆さんとお会いしたいです。冬の函館で夜を明かして映画や映画創りの話をしましょう。

今年のラインアップ、どれも見逃せない作品ばかりです。楽しんでください。お待ちしております。

event info

映画祭名
『第24回 函館港イルミナシオン映画祭』
概要
2018年12月7日(金)~12月9日(日)に函館山ロープウェイ展望台クレモナホール他にて開催。
公式サイト
http://hakodate-illumina.com/

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