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16歳になったアンが経験する悲劇、成長、そして夢──名作小説『赤毛のアン』映画化3部作の完結編

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アンの成長と悲しい別れを描いた感動の物語

モンゴメリの名作小説『赤毛のアン』シリーズのうち最初の1冊を、3部構成でじっくり忠実に描いてきた映画化シリーズの完結編。アン役のエラ・バレンタインはカナダ・アカデミー賞の青少年部門を、そしてジョン・ケント・ハリソン監督も同賞の監督部門を受賞しています。

今回の『卒業』は、進学のためにアンが住み慣れたグリーン・ゲイブルズを離れるところから物語がスタート。第1作では夢見がちでロマンティックなことが大好きな11歳の少女だったアンが、みるみるうちに成長していく姿を、まるで親が見守るような気持ちで鑑賞できる作品に仕上がっています。

また今回の『卒業』でアンは育ての親であるマシュウとマリラの元から巣立つわけですが、離ればなれになることでマシュウたちが「アンはこんなにかけがえのない存在だったのか」と気づくシーンがたくさんあります。すると見ている側もますます“親の目線”になっていく。

『赤毛のアン』は少女向けの物語と思っている人が多いでしょうが、子育て中、あるいは子育てが終わった大人こそ共感できます。例えば、体調の悪いマシュウがアンの卒業式に張りきって参加し、アンが表彰されると立ち上がらんばかりの勢いで拍手する…そんな何気ないシーンでも父親目線で見てしまうと泣けるんですよ。子供と一緒に、あるいは大人だけでもいいので、ぜひご覧になってください。

(映画ライター 大山くまお)

不朽の名作を映画化したシリーズ完結編

『赤毛のアン』はこれまで何度も映像化されてきましたが、今回の3部作は原作者モンゴメリの孫娘マクドナルド・バトラーが製作総指揮に名を連ね、「原作のスピリットが完全に再現された作品」と太鼓判を押しています。

この作品を見ていると、“いい人間”になるための要素がたくさん詰まっていることに気づかされます。例えば、夢を実現するために努力を惜しまないこと。他人を思いやること。人が嫌な気持ちになることは言わないということ。

道徳の授業で先生に言われると説教臭く感じるメッセージが、アンや友人たちが紡ぐ物語を通じてしみじみと感じ取ることができ、「私もそうなりたいな」とすんなり思えるようになります。そうした映像の力を実感させる、とても素晴らしい作品ですね。

(映画ライター 山懸みどり)

movie info

作品名
『赤毛のアン 卒業』(2017年)
監督
ジョン・ケント・ハリソン
出演
エラ・バレンタイン/サラ・ボッツフォード
公式サイト
http://anne-movie.jp/
2018年11月2日(金)ロードショー

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