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映画系メディア 中の人に聞いてみた。第1弾 「シネマカフェ」 八木杏奈編集長

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映画ファンが日々チェックしている情報サイトや雑誌の裏側を紹介する企画「映画系メディア 中の人に聞いてみた。」 第1弾は、映画・海外ドラマ・テレビなど女性が気になる最新エンタメ情報を発信している「シネマカフェ」 の八木杏奈編集長にインタビューします。

幅広いエンタメ情報を“女性に刺さる切り口”で紹介

─シネマカフェが誕生してから何年ぐらいになりますか?

「今年で21年目を迎えます。当初はメルマガからスタートし、PCブラウザのサイトを立ち上げてスマホにも最適化するなど、時代のIT環境に応じて変化してきました」

─シネマカフェはどのようなユーザーがターゲットなのですか?

「主に20~30代の女性ですね。近年はスマホの普及もあって昔よりユーザーの関心の幅が広がっているので、映画に限らず海外ドラマ・韓流・華流・地上波ドラマに関する情報も扱っています」

─そもそも女性をターゲットにしようと思った理由は?

「映画ニュース情報サイトが数ある中で、女性に特化したサイトがないというのが大きな理由です。女性が楽しめる幅広いジャンルの映像作品をガイドするメディアとして情報を発信し、作品とユーザーをつなげる役割を果たすことを目指しています」

─その中でも人気があるコンテンツは?

「美しい官能的要素のある作品や、いま旬な俳優に関する記事は人気が高いです。特に、映画やCMなど露出数が多い日本人俳優はファンも多く、常に大きな反響が寄せられてきます。洋画ではマッツ・ミケルセンやベネディクト・カンバーバッチが根強い人気があります。」

─マッツ・ミケルセンとは渋いですね! 若手俳優の人気はどうなのですか?

「もちろん実力派の若手俳優も人気です。最近では『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメとか。定番の人気スターのニュースを積極的に扱いながら、ネクストブレイクが期待できる若手俳優陣も常にチェックしています」

─最近のコンテンツで反響が高かったり、ご自身で手応えのあったものは?

「キャスト陣の人気が高い『銀魂2』や、『カメラを止めるな!』が大ヒットした理由を考察した記事は特に手応えを感じました。作品に関しての新たな視点を提供したり、新しい作品との出会いとなるようなコンテンツをこれからもつくり続けたいと思っています」

編集長という職務はオンとオフの境目が曖昧

─シネマカフェはどのようなメンバー構成で制作しているのですか?

「編集部は私(編集長)とデスクの2名で、実際の記事制作は20人程度の外部ライターに依頼しています。日々のニュースリリースを記事化する部隊、インタビューやレポートを担当する部隊、そしてコラム部隊の3チーム体制。ライター陣は女性中心ではありますが、もちろん男性もいます」

─編集スタッフは記事を書かないのですか?

「私が配属された当初は、編集スタッフがレポートやインタビューの記事を自ら書いて校正まで行っていました。今はライターに原稿を依頼して、編集部は記事の最終チェック・ネタ選びに専念しています。」

─どのようなタイプのライターを起用していますか?

「海外ドラマに詳しかったり、考察が鋭かったり、何かしらの得意分野を持っている人ですね。ライターさんから、ネタや切り口を逆提案してもらうこともあります」

─そうした制作体制における編集長の役割は?

「シネマカフェのコンセプトがブレないよう、取り上げる作品やオリジナル記事の切り口を決めて、ディレクションすることです。あとは、シネマカフェでしかできないこととは何かを日々模索しています」

─女性向けの切り口を考えるにあたって、意識していることはありますか?

「女性もアクションやホラー、コメディ、ラブコメなどさまざまなジャンルの作品を観ます。幅広いジャンルの中から、どのように紹介をすれば作品を「観たい」と思ってもらえるか、ということは常に意識しています。」

─そうした切り口を考えたりネタを探すため、どのように情報収集していますか?

「エンタメネタを扱うという仕事柄、家でテレビや雑誌を見ている間も『この俳優が人気なのか』と常にアンテナを張り、使えそうな情報をインプットしています。オンオフ関係なく、ずっと仕事のことを考えているような状態にはなります(笑)。

あと、シネマカフェユーザーの8割がスマホで閲覧しているということもあり、スマホサービスのトレンドも常にチェックし、コンテンツはもちろん媒体としてのあり方も古くならないよう気をつけています」

─常にアンテナを張り続けているのは大変ですね。

「大変ではありますが、私自身がエンターテイメントの世界を楽しみながら仕事ができているので苦ではありません。とはいえ自分が「興味がある」「面白い」と思ったネタでも、一人よがりになっては意味がありません。シネマカフェというフィルターを通して世の中にどう届けていくか常に考え、ニュースを発信しています」

─ユーザーの反応を最優先する一方、「このネタは面白いから絶対やりたい!」と個人的に推したくなることはありませんか?

「あります(笑)。最近は『バーフバリ』というインド映画やNetflixオリジナル「クイア・アイ」が素晴らしかったので周りの友人に勧めると同時に、記事のネタ出しでも積極的にプッシュしました。幸い世間でも話題になっていたので、記事の反応も良かったです」

「見たい映画が見つかる」理想のサイトにするために

─編集長ならではの“役得”エピソードはありますか?

「仕事を通じて映画との接点が増え、幅広いジャンルの名作に出会えるのも醍醐味ですね。例えば、この職に就く前は海外ドラマを見る機会があまりなかったのですが、最近では『ストレンジャー・シングス』や『ウエストワールド』『アトランタ』など、話題作を寝る前に1話ずつ見ています」

─ちなみに編集長が好きな映画は?

「子供の頃に初めて見たSF映画『フィフス・エレメント』です。日本の映画やテレビではなかなか見られない未来空間の世界観に夢中になりました。最近だと、アメリカ社会のリアルを映画という形で描いた『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』がとても印象に残っています」

─今後、シネマカフェで充実させていきたいコンテンツは?

「近年加入者が増加している動画配信サービス関連の情報です。動画配信サービスに加入してはいるけれど、作品数が多いのでいざ見ようとなると、何を見ていいか分からないという人もいるかと思います。そんな中から、シネマカフェ編集部のおすすめする面白い作品をピックアップして紹介していくことで、ユーザーに『シネマカフェを訪れれば自分の見たい作品が見つかる』と思ってもらえるようになるのが理想です」

─新たに開拓してみたいサービスや取り組みは?

「映画ファンが見る作品を決める基準としてクチコミの重要度が増す中、今年5月に映画レビューサイト『coco(https://coco.to/)』が新たに加わりました。最近だと『カメラを止めるな!』がヒットした理由の考察記事に『coco』ユーザーの映画満足度やレビューも掲載したのですが、今後もいろいろな形で『coco』とシネマカフェの連携を図り、ユーザーの鑑賞意欲をより刺激していきたいですね」

─スマホユーザーを意識した取り組みでは何かありますか?

「シネマカフェのアプリ化です。レビューサイトのcocoと合わせて、ぜひアプリ化を実現したいですね」

「映画系メディア 中の人に聞いてみた。」第1弾インタビューはいかがでしたか。「シネマカフェ」が女性の支持を広く得ているのは、時代のニーズに敏感に応じながらサイト独自のコンセプトは妥協なく貫く、八木編集長ら制作スタッフの徹底したこだわりがあってこそなんですね。

「見たい作品が必ず見つかる」ニュース情報サイトへと進化していくための取り組みに、今後も期待大です!

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