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ブルース・ウィリスが非情な復讐鬼に!チャールズ・ブロンソン主演『狼よさらば』を再映画化
多才で鬼才!イーライ・ロス監督作品
この作品の主人公は、シカゴの救急外科医ポール・カージー。ある日、彼の家に強盗が入り、妻が殺されて娘も重体に。カージーは怒りのあまり復讐に立ち上がるという、かなりダークなアクション・スリラーに仕上がっています。
主人公カージーをブルース・ウィリスが演じていて、そこがこの作品の重要なポイントです。ブルース・ウィリスといえば『ダイ・ハード』のマクレーン刑事ですが、そんな彼も63歳になって“元アクション・スター”という立ち位置に。近年は『RED/レッド』や『エクスペンダブルズ』で体を張っていましたが、往年のセルフパロディだったり、ちょっと無理してアクションを頑張っている感じは否めませんでした。
でも今回の『デス・ウィッシュ』では主人公が外科医。つまりアクションの素養がない男が、メスを銃に替えて闇の処刑人として立ち上がる。一般市民が無敵のパワーを手に入れようという設定が、元アクション・スターのブルース・ウィリスにハマっています。アクションを魅せるところはうまく魅せつつ、一般市民ゆえ“アクションをやりきれない”ところも演じ、マクレーン刑事以来の当たり役と言えると思います。
監督を務めたのは、『ホステル』『グリーン・インフェルノ』などのマニアックな作品で映画ファンにお馴染みのイーライ・ロス。
『デス・ウィッシュ』と同じ10月にはファミリー向けファンタジー『ルイスと不思議の時計』が公開され、カルト系以外の才能も発揮していますが、今回の『デス・ウィッシュ』では、強烈なバイオレンスあり拷問シーンありという、本来のイーライ・ロスらしい演出が要所に詰まっていてゾクゾクするはず。そうした魅力が、ブルース・ウィリスを起用することによってうまく発揮された作品です。
(映画ジャーナリスト 斉藤博昭)
痛みを描く“ブルース・ウィリス”アクション
ブルース・ウィリスが演じる主人公は、重症の救急患者を蘇生させる外科医。患者たちを傷つけた犯罪者をどうこうしようという気持ちは一切ないのですが、家族を傷つけられたことによって一気に反対側へ振り切れ、銃で武装し街のチンピラどもを殺していくわけです。
『ダイ・ハード』の頃からブルース・ウィリスを見ていると分かると思うのですが、彼が演じる主人公は、闘うモチベーションさえ得られれば一気に最後まで行ってしまう。そこが観客の共感を得るわけで、今回の作品でも“ブルース・ウィリスがやるのなら許せる”という気持ちになります。
『ダイ・ハード』で彼の演じるマクレーン刑事が、ガラスの破片の上を裸足で歩いてイテテ!となるシーンがありましたよね。ブルース・ウィリスの映画では、マッチョな男ではなく普通のオヤジが頑張るので、“肉体の痛み”が表現されています。
また、ブルース・ウィリスは頭蓋骨が美しい!360度どこから撮っても完璧なフォルムで、オープニングのシーンから「あの頭蓋骨が帰ってきたな」と思わされます。主人公がバイオレンスに至るモチベーション、戦えば痛くなる肉体、相変わらず美しい頭蓋骨。この3拍子が揃った作品となっていますよ。
(映画ライター 清藤秀人)
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