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斬新な恐怖が評判を呼んで全米大ヒット!音のない世界に迫る“何か”の脅威を描くホラー

#REVIEW
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“沈黙”をカギにした斬新な設定

この作品は、音を立てると襲ってくる“何か”によって荒廃した世界の中で、寄り添いながらサバイバルしている一家の物語。今年3月に開催されたマルチメディアの祭典「サウス・バイ・サウスウエスト」で公開されるや注目されて全米大ヒットとなり、今年のホラー映画No.1と前評判の高い作品です。

一般的なホラー映画は音で驚かせるのが常套手段ですが、この作品では音を立てると“何か”が襲ってくるので、劇中はとても静か。風の音や川のせせらぎは聞こえてきますが、しゃべってはいけないし、子供のオモチャをちょっと鳴らしただけでも襲われる…こうした“音”にまつわるアイデアがとても面白い! 見ていて「こういう手があったか」と思うし、世界中のホラーの作り手たちも「やられた!」と悔しがるでしょうね。

一家の長女は口がきけないという設定なのですが、演じるミリセント・シモンズも実際に耳が不自由。長女が犯してしまったある行動によって一家に事件が起き、彼女は責任を感じてしまいます。

そのせいで父親ともギクシャクするのですが、父親は誰よりも長女のことを深く考えて愛している。そうした親子のすれ違いの物語と、“何か”から生き延びるサバイバルがうまく並行して語られ、それぞれのテーマが重なり合うクライマックスまでの疾走感が素晴らしいですね。

(映画評論家 立田敦子)

極限状態で描かれる“家族愛”に涙

この作品はアメリカで公開されるやたちまち話題になり、ライアン・レイノルズやスティーヴン・キングも絶賛したそうです。何がそんなにスゴイかというと、ただのホラー映画ではないところ。脚本の中にいろいろな伏線が張られていて、それらの結果をちゃんと見せてくれる設定が素晴らしいのです。

物語のオープニングからもうドキドキしてしまいます。一家の男の子がスペースシャトルのオモチャを持っているのですが、オモチャって音が出ますよね。そこで起きる出来事も後々の伏線につながってきます。こんなふうに最初から最後までハラハラドキドキできて、そして泣けるんですよ。感動の涙だったり、切ない涙だったり、よく頑張った!と称えたい涙をプレゼントしてくれます。

監督を務めることになった俳優のジョン・クラシンスキーは、当初の脚本に自ら手を加えていくうちに「自分も出たい」という思いが高まり、妻のアドバイスを受けて監督と父親役を兼任することにしました。

ちなみに彼の妻は、母親役のエミリー・ブラント。実際の夫婦が夫婦役を演じることによって、物語で描かれる夫婦愛もリアルに!そこがまた泣けるんですよ。

この映画は脚本がとてもよく練られているので、ホラーであると同時に、男女のロマンスであり、親子の愛の物語でもある、とにかく心が震える作品に仕上がっています。ホラー映画好きだけでなく、家族がいる人にも見てほしい。オープニングから涙を流して、きっとラストには号泣してしまいますよ。

(映画パーソナリティー 伊藤さとり)

movie info

作品名
『クワイエット・プレイス』(2018年)
監督
ジョン・クラシンスキー
出演
エミリー・ブラント/ジョン・クラシンスキー
公式サイト
http://quietplace.jp/
2018年9月28日(金)ロードショー

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