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国内外で活躍する女性映画監督作品を上映!『あいち国際女性映画祭』について映画祭ディレクターの木全さんに聞いてみた!

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9月5日(水)~9日(日)の5日間、愛知県名古屋市の「ウィルあいち」や「ミッドランドスクエアシネマ」で開催される『あいち国際女性映画祭2018』。世界各国・地域の女性監督による作品や女性に注目した作品を集めた、国内唯一の国際女性映画祭の魅力や成り立ちについて映画祭ディレクターの木全さんにお聞きしました。

あいち国際女性映画祭のテーマやコンセプトを教えて下さい。

あいち国際女性映画祭は、開催当初より2つの目的をもって開催しています。1つ目は、国内外で活躍する女性映画監督作品を上映し、映画製作に関わる女性の社会進出を応援すること。2つ目は、監督などゲストを招いてトークイベントやシンポジウムなどを開催し映画の魅力を感じていただくとともに、作品の理解を深めることを通じて男女共同参画意識を高めることです。

世界の女性を取り巻く社会状況や様々な問題、さらには女性の生き方や考え方を紹介することで、男女共同参画社会についてこの映画祭が参加者と共に考える場となれば、と思います。

どうしてこの映画祭を愛知で立ち上げられたのですか?

はじまりは1996年、愛知県の男女共同参画社会づくりの拠点施設である「ウィルあいち(正式名称:愛知県女性総合センター)」のオープン記念イベントとしての開催です。性別にかかわりなく能力を発揮できる社会の実現を目指し、女性の社会進出を支援するというウィルあいちの理念を、映画祭を通じて発信することが目的です。初回から多くの参加者を得て、この理念をご理解いただけたと考えています。

23回と回を重ねていますが、あえて「女性」と掲げなくても多くの女性監督の名前が並ぶことを願いますが、現実はまだまだ厳しく、道半ばです。これからも地道に回を重ね、ここ愛知でしか観ることのできない、女性の視点で創造される映像文化への支援が我々の使命と考えています。

23年間続けてきて、この映画祭へのお客様の反応は変わってきましたか?

普段観るチャンスの少ない作品を上映し、また、ここでしか聞けないゲストによるトークイベントを設けており、映画祭ならではの醍醐味を多くのお客様に楽しんでいただいています。

海外新作だけでなく、日本の名作、7回目となりファンの方がついてきたコンペティションの短編フィルムの上映会には、毎年足を運んでくださる常連のお客様も多く、大変ありがたく思っています。

ただ、映画以外の魅力的なコンテンツが充実している昨今、新たなお客様、とりわけ若い世代のお客様が少なくなっており、より一層のPRの必要性を感じています。そこで昨年からは、映画祭をより多くの人に知ってもらい、新たな層のお客様にもお越しいただけるよう、メイン会場の「ウィルあいち」に加え、名古屋駅前にある映画館「ミッドランドスクエアシネマ」をサテライト会場として実施しました。

アクセスのよい場所で開催することで、お仕事帰りに立ち寄ることができ、これまで映画祭に行く機会のなかった方に、映画祭を知ってもらう良いきっかけになったのではないかと思います。今年もサテライト会場は継続して実施するので、ぜひ足を運んでいただきたいです。

今回オススメする作品や企画を教えてください。

どれもオススメの作品です。中でも、ムージャ・マライーニ・メレヒ監督『梅の木の俳句』がイチオシです。この作品は、第二次世界大戦中に名古屋にあった強制収容所で過酷な経験をしたイタリア人一家の足跡を追ったドキュメンタリー作品です。長い間名古屋に住んでいますが、今回の作品で強制収容所の存在を初めて知りました。地元・名古屋の歴史を改めて知ることのできる作品です。

第二次世界大戦下、名古屋の強制収容所で過酷な経験をしたイタリア人一家の足跡を追ったドキュメンタリー作品『梅の木の俳句』。

特別企画では、ジェンダーの問題を取り上げたカンボジア作品、ソック・ヴィサル監督『ポッピー ハリウッドに行く Redux』がオススメ。笑いと恋愛要素を織り交ぜて、LGBTが置かれている状況を描いた作品です。上映にあわせ、タレントのはるな愛さんをゲストに迎えたトークイベントを実施します。日本でもLGBTの社会的認知は進んでいますが、社会全体が受け入れるには、まだまだ目には見えない壁があります。スクリーンの中だけの話ではなく、現実に今生きているこの社会の問題として、はるなさんと観客の皆さんと一緒に考える場にしたいと思います。

LGBTの問題を笑いも交えて描いたカンボジア映画『ポッピー ハリウッドに行く Redux』。上映後には、はるな愛さんによるトークイベントも実施。

フィルム・コンペティションについて教えてください。

フィルム・コンペティションは、女性映画監督の登竜門を目指し、2012年から短編フィルム部門、2015年から長編フィルム部門を加えて実施しています。

2015年から映画賞を創設し、ベルリン国際映画祭の金熊賞や、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞になぞらえて、「金のコノハズク賞」「金のカキツバタ賞」と名付けました。ちなみに、コノハズクは愛知県の鳥、カキツバタは愛知県の花です。

応募作品の傾向としては、家族や友人など身近な人との関係性や、心の葛藤、性の問題など、内面を重視する作品が多い気がします。審査においては、あくまで審査員の1人としての意見ですが、映画として優れていることはもちろん、監督の将来性を期待される作品や、今の時代を映し出した作品、個人の感性を活かした作品に、注目しています。

2017年のフィルム・コンペティション授賞式

映画祭のおすすめの楽しみ方はありますか?

メイン会場となるウィルあいちには、1階に情報ライブラリーがあり、男女共同参画社会実現や女性に関するさまざまな問題への対応のための書籍等の閲覧ができます。

映画を観て気になったこと・興味をもったこと等、鑑賞後すぐに調べることができます。期間中には上映作品の関連のある図書等を紹介するコーナーを設置しています。ぜひ気軽に情報ライブラリーにお立ち寄りください。

また、これまでの上映作品のDVDも所蔵していますので、併せてご鑑賞いただけると、より一層映画祭を楽しむことができるのではないでしょうか。

木全さんの最近気になった映画を教えてください。

カンヌ国際映画祭最高賞を受賞した『万引き家族』は、日本映画界及び日本人が、久しぶりに世界に誇れる自信を持てた作品です。また、インディーズ映画『カメラを止めるな!』はここ数年の1本と言えるほど、傑出した作品です。意気込みがあり、アイデアがあり、優れたシナリオがあればこんなにもおもしろい作品ができるのだという、見本となる作品です。

『万引き家族』
http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

『カメラを止めるな!』
http://kametome.net/

最後に、皆さんにお伝えしたいことがあればぜひ。

名前が『あいち国際女性映画祭』ということもあり、20回を越えた今でも、「男性でも参加できますか?」という質問を耳にします。もちろん、性別にかかわらず、どなたでも大歓迎です!(むしろ、男性の皆さんにこそ観てほしい作品がいっぱいです!)

ここでしか観られない作品、監督やゲストのここでしか聴けない話が盛りだくさん。ぜひ、お気軽にご来場ください。皆様のお越しを、心よりお待ちしています!

event info

映画祭名
『あいち国際女性映画祭2018』
概要
2018年9月5日(水)~9月9日(日)に愛知県のウィルあいちやミッドランドスクエアシネマにて開催。
公式サイト
http://www.aiwff.com/

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