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葵わかな&佐野勇斗のフレッシュカップルで人気少女コミックを映画化。大人もときめく“夏休み限定の恋”

#REVIEW
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“都会女子”と“田舎男子”の運命の出会い

この作品は、南波あつこの人気少女コミックを映画化したものです。葵わかなが演じる都会の女の子と、佐野勇斗が演じる田舎の男の子が、夏休み限定の恋を演じる青春ラブストーリーとなっています。少女漫画が原作の青春映画というのはたくさん作られすぎていて、つい敬遠したくなる大人もいるでしょうが、意外と落ち着いた演出でじっくり見られるように仕上がっていますよ。

都会の子と田舎の子の“ボーイ・ミーツ・ガール”という意味では、昨年大ヒットしたアニメ映画『君の名は』を思わせます。今回の舞台になっている田舎町も、美しい山々の間に大きな湖があって『君の名は』とちょっと似ています。『君の名は』の前半シーンで「あんな青春ってもう戻ってこないよな」と泣けた方は私も含めてけっこう多いと思いますが、そういうときめきを抱いた方なら、この作品でも同じような感覚を味わえるはずです。

また、Mrs. GREEN APPLEによる主題歌にもぜひ注目してください。

(映画ライター 大山くまお)

葵わかなと佐野勇斗のW主演

ストレートなラブストーリーはキャスティングが命。主演カップルがどれだけ清々しいか可愛いかといった要素で、感情移入の度合いが大きく変わってきます。ヒロインの理緒を演じた葵わかなは、『わろてんか』などを通じて“おとなしい清楚な女の子”というイメージを抱いていたのですが、今回は「好きなものは好き」「自分の将来は自分でつかむ」というポジティブな少女をフレッシュに演じていて、意外でしたがとってもお似合いです。そして彼女が一目惚れする田舎の高校生・吟蔵を演じるのが佐野勇斗。いつも斜め45度下を向いているちょっと暗いイケメンを演じているのですが、時々見せる片えくぼの笑顔がチャーミングで、将来さらに伸びていく俳優だなと確信しました。きっとこのフレッシュカップルに共感できるはずです。

また、古澤健監督とスタッフに拍手を送りたいなと思ったのは、2人が恋をする上湖村という舞台を成立させるための努力です。雄大な緑の山々に湖が囲まれた自然豊かな村を、映像として見せる作り方がスゴイ!と感心しました。こんなにも美しい村でなら、許嫁のいる吟蔵が将来を捨ててでもこの村を守っていこう、という決意を抱くのも説得力が感じられますね。

(映画ライター 金子裕子)

夏限定の運命の恋を描く物語

青春映画といえば胸キュンシーンが定番。主人公カップルがどのように胸キュンシーンを体現するかが、この作品でもポイントになってきます。例えば、花火大会に浴衣で行ったり、夏休みなのに制服デートとか、友達と一緒に行う川辺のバーベキューとか。そのバーベキュー1つとっても、東京から来た理緒に振り向かないよう誓った吟蔵が、自分の友人と理緒が仲良くしている姿を見ると嫉妬するなんて、グループで遊ぶ男女の“あるある”ですよね。そうした夏休み限定の胸キュンシーンが多いのがこの作品の特徴です。いわゆる「床ドン」のシーンが見られるのですが、これも夏休み仕様になっていますよ。

さらにこの作品で大きなポイントだと感じたのは、ヒロインの理緒が口にする「運命は自分で作る」という言葉です。「運命」という言葉からは偶然性とか受け身なイメージを感じがちなので、このセリフを聞いてドキッとしました。その言葉通り、理緒は積極的な女の子で、吟蔵を好きという気持ちを素直に伝えます。最初は「どうせ夏休みが終わったら東京に帰るんだろう」と吟蔵に相手にされないのですが、それでも「夏休み限定でもいいから付き合ってほしい」と、自分が思い描く運命を自ら作っていくのです。

さらに彼女のバイタリティは、村に愛着を抱きながら実はある夢を秘めている吟蔵をはじめ、周りの人間をも変えていきます。これもまさに「運命は自分で作る」というテーマそのものですね。こうした恋愛に限らず、大人になると変化する楽しみよりも恐怖心が先だって“守り”に入りがちですが、理緒の姿を見ていると大人こそが「チャレンジしなきゃ!」と自分自身に問いかけられる気持ちになるでしょう。もちろん同世代の高校生たちにとっての共感ポイントも満載ですよ。

(映画コメンテイター 八雲ふみね)

movie info

作品名
『青夏 きみに恋した30日』(2018年)
監督
古澤健
出演
葵わかな/佐野勇斗
公式サイト
http://aonatsu.jp/
2018年8月1日(水)ロードショー