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迷宮から生き延びた少年たちに最大の試練が!壮絶な死闘で幕を閉じるシリーズ最終章
シリーズを追うごとに増すキャラクターの絆
この作品は、大ヒットシリーズの第3作にして最終章。巨大な迷路に送り込まれた若者たちが、ある敵と戦いながら脱出を図るという1作目がストーリーの出発点なのですが、「なぜ彼らは迷路に放り込まれたのか?」という謎がいよいよ明らかに。
このシリーズは5年間の間に3本作られ、シリーズを追うごとにキャラクターたちの絆やチーム感がどんどん増していっています。1作目では全然知らない者同士が集められ、一緒に過ごすことで徐々に友情が生まれていく。そして3作目では敵に捕まった仲間を助けるため、せっかく閉じ込められていた場所から抜け出したのに再び侵入するのです。また捕まるかもしれないし、命を落とすかもしれないのに何とか仲間を救い出そうとする友情物語に感動させられました。
他にも友情をテーマにした映画はありますが、それら以上に感動させられるのはなぜなのか?以前監督から聞いたのですが、1作目の撮影時にキャストを集め、サバイバルのノウハウをプロから1週間学んだそうです。その1週間があったからこそ、撮影現場でも絆が深まり、2作目、3作目を経て家族のような関係になっていったのではないか、と話していました。
主演のディラン・オブライエンら若手俳優たちは、1作目の当時はまだまだ新人でしたが、5年間のシリーズを通じてどんどん成長しスターに。この映画では激しいアクションが満載なのですが、どれだけ綿密に準備すればこんなふうに動けるんだろう…と思うほど、俳優たちが動きながらお互いに意思疎通を図っているシーンがたくさんあります。不思議でありながらとても感心しました。1作目で培ったチームワークや絆が、役に反映されているのでしょうね。
(映画ライター 新谷里映)
最終章にふさわしいアクションの数々
ジェイムズ・ダシュナーのベストセラー小説をPV出身のウェス・ボール監督が映画化し、全米で大ヒット。今回の第3作で最終章となるのですが、これがまたアクションに次ぐアクションでスゴイんです! それもドンパチドンパチのメガトン級。クライマックスなんか街がボワーッと火に包まれたり、マイケル・マン監督の『ヒート』みたいに市街地で激しい銃撃戦を繰り広げたり、目まぐるしいぐらいアクションだらけです。
また、1作目で少年だった俳優たちが今回は青年に成長して、みんな比べ物にならないぐらい演技がうまくなっています。このシリーズに出演する若手俳優たちは、次世代にブレイク必至な人たちばかり──ここが今回の推しポイントです。主人公役のディラン・オブライエンは、車でゾンビから逃れるシーンのスタントで顔から転落し、顔面崩壊するほどの骨折を負ってしまいました。その影響で1年間撮影が中断したのですが、整形手術で顔を治療した後に再び撮影に復帰したという男気がシビれる。シリーズ最終章だからこそいっそう必死に演技しているキャストたちにぜひ注目してください。
(映画コラムニスト ジャンクハンター吉田)
真実に対する「答え」を考えさせられる映画
シリーズ全体に共通することですが、キャストが仲間たちの友情・絆を熱く演じているのが面白いところです。主人公たちの行動目的は「仲間を助ける・見捨てない」ということ。そのために何をするか?という仲間同士のつながりが今回の3作目では特に重視して描かれています。今どきのイケメン俳優が、それこそ昭和の少年漫画のような熱いドラマを繰り広げているのが見ていて面白く、またこうした題材はいつになっても廃れないんだなと感じました。
またこのシリーズでは、ウェス・ボール監督が3作品すべてを手がけています。最近のシリーズ映画では珍しいことで、それだけボール監督がこのプロジェクトに入れこんでいたということでしょうね。1作目は迷路という限定空間からの脱出劇、2作目では砂漠でゾンビに襲われるサバイバル、そして今回は都市が舞台となり、クライマックスはまさに戦争状態! こうしてだんだんスケール感が増していく物語を1つにまとめているところに、ボール監督自身の成長も見て取ることができます。
主人公は自分たちを狙う体制を打破して生き残ろうとする。ところが一方の大人たちも、伝染病の抗体を持つ被験者である少年たちを利用するのは、ウイルスから人類を守ることになるんだという言い分があるのです。その“正しさ”に触れた時に、主人公は果たしてどのような決断をするのか? そこが今回のドラマの大きなポイントになっていて、大人が見ても判断の是非をいろいろ考えさせられるところがありますね。
(映画ライター 相馬学)
movie info
- 作品名
- 『メイズ・ランナー:最期の迷宮』(2018年)
- 監督
- ウェス・ボール
- 出演
- ディラン・オブライエン/カヤ・スコデラーリオ
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