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青森ねぶた祭開催前のワクワク感も体感できる!?青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルについて聞いてみた!

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7月7日(土)に青森市で開催される第13回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル。青森ねぶた祭の準備で賑やかになってくる街の魅力も含め、映画祭実行委員長の成田容子さんにお聞きしました。

今年13回目の開催ですが、特に意識されたテーマやコンセプトは?

青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルのテーマである「多様な性を考える映画祭」ということに変わりはありません。今年は特にこれを意識して、というよりも、毎回作品とのめぐりあい、出会いを大事にしていますね。作品選びの段階で、その年のテーマが見えてくるように思います。今年は、12才のフラダンスチームのリーダーから、39年来連れ添ってきたカップルまで、登場人物の年代が幅広い年になりました。映像の中に現れる様々な生き方を、観客の方々それぞれの視点で捉えていただければと思います。

12歳で両性の資質を備える女の子が男の子のフラダンスチームのリーダーとなり、自分たちの伝統文化への気持ちを大切にしながら発表会を迎えるまでの軌跡を描く『間(あいだ)の場所』©http://APlaceintheMiddle.org
2011年に同性婚が合法となったニューヨークで繰り広げられる上質な大人の悲喜劇『人生は小説より奇なり』  © Love is Strange, LLC

映画祭への参加者の反応はスタート時から変わってきていますか?

映画祭を始めた頃は、「当事者なので行きにくい」とか、「当事者じゃないと参加できませんか?」という声が聞かれました。敷居が高い映画祭だと感じる方がいたようです。そのような心配も、映画祭が10年以上続いたことで、「誰でも行ける」という安心感に変わってきたのではないでしょうか。「この映画祭は、当事者じゃない参加者も多いし、年代も様々なので、参加しやすい」と、声をかけてくれた観客の方もいました。

私たち実行委員も、より気軽に集まれる場としての映画祭を常に意識しています。新しい試みとして、前回、前々回は、シアター&カフェスタイルの会場で開催したのですが、多くの方々が、より個性的でフレンドリーな雰囲気を楽しまれたようです。今年は3年ぶりに大きな会場に戻りますが、これからも「参加してみたい!」と思ってもらえるような映画祭でありたいと思いますね。

上映する映画はどのように決定されていますか?

インターネット上で話題になっている作品や、他のLGBT映画祭で上映された作品の中から候補を選び、試写をして、スタッフで話し合って決めます。青森では観る事が難しい作品を紹介したいという思いから、ドキュメンタリー作品や短編作品をできるだけ上映することにしています。

ドキュメンタリー作品は、常に明るい結末というわけではありません。そのため、ドラマ作品は、最後に希望が見えるもの、思わず笑ってしまう面白い場面があるようなものを上映したいと考えています。

企画・キャスティング・プロデューサーの東ちづるがインタビューを行い、50名のLGBTsセクシュアル・マイノリティの言葉を紡いだ記録映画『私はワタシ~Over the Rainbow~ 』 © 一般社団法人Get in touch
2014年第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭レインボーリール・グランプリ作品『笑顔の向こう側』

映画祭を立ち上げられたことの成り立ちを教えてください。

私がNPOで仕事をしていたときに、サンフランシスコにあるLGBT支援組織で研修しました。帰国後、関西クィア映画祭代表の方とお会いする機会があり、「青森でもLGBT映画祭をやってみませんか?」と、勧められたのがきっかけです。最初は「それは無理、できるわけがない」と思いましたが、それでも何とか当時の仕事の同僚たちと力を合わせて第1回を開催しました。

そういう経緯ですので、自分からやりたいと思って始めた映画祭ではないんですね。私は自他共に認める映画ファンではありますが、まさか自分が映画を上映する立場になるとは夢にも思いませんでしたし、それが13年も続いてしまうとは、私自身が一番驚いています(笑)。

映画祭を開催するにあたっての「魅力」や「大変さ」を教えてください。

イベントはすべて完璧にできて当たり前です。その「当たり前」が難しい。だからこそ、準備段階での緊張感は毎年変わることがありませんし、開催日が近づくと、「早く終わってほしい。早く楽になりたい!」と思ってしまいます(笑)。

でも、映画祭当日、スタッフが揃ってひとつのことを成し遂げる楽しさ、達成感はやっぱり大きいなあと思います。観客の方々も全国各地からお見えになりますし、去年は和歌山から来てくださった方もいて、スタッフ一同感激しました。毎年お見えになる方々とは、年に一度のお付き合いではありますが、お会いできれば嬉しいものです。

映画ファンとしての成田さんのおすすめの映画、好きな映画は?

数年前には、1年間に98本の映画を映画館で観たこともあるほどの映画ファンですが、ここ数年は、観たくても青森に来ない作品もあり、悔しい思いをしています。最近観たものでは、『ラッキー』が良かったですね。こういう環境で、こういう生活がしてみたいと思う作品でした。私はストーリーよりも、その作品の雰囲気や景色、セリフなどに惹かれます。私もその空間の中に一緒にいるような感覚を覚えるんです。
日常生活を淡々と描いた作品が好きなので、『パターソン』も良かったですね。『スリー・ビルボード』のようなあらゆる方向から力強く迫ってくるような作品も好きです。
これまで観た作品の中で最も強く印象に残っているのは、かなり前の作品ですが『シャイニング』でしょうか。

映画『ラッキー』公式サイト
http://www.uplink.co.jp/lucky/

映画『パターソン』公式サイト
http://longride.jp/paterson-movie/

映画『スリー・ビルボード』公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/

映画祭で青森に来た人におすすめできる場所はありますか?

映画祭会場となるビルの地下は魚市場です。県外からいらっしゃる方にとっては、まずこれが驚きのようですが、青森らしさかもしれません。会場から歩いて10分ほどのところには、この時期ねぶた小屋が立ち並び、製作中のねぶたを見ることもできますので、祭り前のワクワクした雰囲気をぜひ味わってください。

映画祭にまだ来たことのない方へひとことお願いします。

「青森でやっているLGBT映画祭ってどんな感じかな」と思われている方々、ぜひご来場ください。映画を観たい方、観客の方々やスタッフと話してみたい方、懇親会でみんなと楽しく語りたい方、どなたも大歓迎です。私たちスタッフも新しい出会い、再会を楽しみにしています。暑い夏に涼しい青森でお待ちしています!

event info

映画祭名
『第13回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバル』
概要
2018年7月7日(土)、青森市「アウガ5FカダールAV多目的ホール」にて開催。
公式サイト
http://www.aomori-lgbtff.org/

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